POP-uP Book Cafe "BOOKS &"
Vol.5 Books & 染 (some)
2023/07/28 (Fri) & 07/29 (Sat) | 長野県御代田町
【御礼】第5回ブックカフェはおかげさまで盛況裡に終了しました。ご参加、ご協力いただいた皆さまに厚くお礼申し上げます。
御代田やその近隣に突如出現するポップアップ・ブックカフェ「Books &」。「&」の後には、毎回異なる「暮らしのさまざまな要素」にまつわるキーワードが入ります。
本とキーワードの出逢いから始まる「ジャーニー(旅路)」を、カフェを訪れる人たちとともに描いていく実験的なブックカフェ。第5弾は真夏の御代田での開催です。
今回のキーワードは「染」。
この漢字から「汚染」や「感染」など、ネガティブなイメージを連想する方は多いかもしれません。
ところが、実は「染」という漢字の成り立ちは、うっとりするほど美しいのです。
「染」の中の「九」と「木」を組み合わせると「朶(だ)」という文字になり、木の枝葉が垂れ下がる形を表します。それに水を表すさんずいを添えて、枝葉を水に浸して糸や布を「そめる」ことを意味するようになりました ― ほら、絵のような情景が目に浮かんできませんか?
今回のブックカフェでは、その「そめる=染」と「本」とが出逢います。
カフェの本棚には「染 (some)」からつながる本たちが並び、カフェメニューには「染」のスイーツもあるとかないとか。
会期中には、軽井沢町から染織作家さんをスピーカーにお招きし、"工芸"の視点からの「染」についてのトークセッション、そして、立科町の土染め作家さんを講師とした、土でブックトートを染める青空ワークショップの2つのイベントもあって盛りだくさん。
東信州の短い夏の2日間。御代田町の清涼な風を感じながら「本」を通して、咲き乱れる花の色、草や土の香り、木々の濃い緑に思いっきり"染"まってみるのはいかがでしょう。
BOOKSHELF
暮らしの中で「染」を楽しむきっかけとなりそうな本に出会う本棚をつくります。
草木・藍・土・ベンガラ
自然素材を使ったさまざまな染め物
蚕の繭・糸・そして布へ
糸紡ぎや機織り
色を楽しむ
日本の伝統色・古色を知る
綿・シルク・麻
土・鉱物
布を楽しむ ―スカーフ・のれん・リネン
日本と世界の布
生活を豊かにしてくれる色の世界、布や糸の文化・歴史、機織りや糸紡ぎのシーンが出てくる物語や絵本、素材を生み出してくれる身近な自然など、「染」を深め、楽しむための本たちと、皆さまをお待ちしています。
CAFE
今回のブックカフェは御代田町での開催。会場となるのは、背の高い広葉樹に囲まれた「カフェ&インテリアL (エル)」です。
春夏秋冬、季節ごとにその佇まいと、大きなガラス扉の向こうに広がるテラスからの風景を変えていく、訪れるたびに季節の移り変わりを感じるカフェ「エル」。
隣の家具工房で作られた本棚に並ぶ「染」の本たち。気になる本を手に取って、コーヒー片手にページをパラパラめくったり、テラスに出て、真夏の濃い緑の木立から差し込む木漏れ日の下、読書に没頭したり。
自家製スイーツのラインアップの中には、「染」をイメージしたスイーツも。本から広がる「染」の世界を、五感をフル動員して探検してください。
TIMETABLE
ブックカフェは営業時間内は自由にご利用いただけます
「カフェ」ですので、ご利用の際は、可能な限りお一人あたりワンオーダーいただけると幸いです。(この両日はカフェ営業のみで、ランチはありません。)
ワークショップ開催時もカフェはご利用いただけますが、若干の声や音、香りが発生しますこと、ご了承ください。
EVENTS
07/28 (金)
18:00~19:30 受付開始 17:45
受付終了
トークセッション
織るために染める ~工芸家から見た「染」の世界~
ゲストスピーカー:
染織作家
手織工房槐 (KAI) 主催
たかの きみこ さん
たかの きみこ
女子美術大学工芸科にて染織の基礎を学ぶ。
手織工房 槐 (KAI) 主宰(制作・教室)
長野県北佐久郡軽井沢町追分967-89
ウール、カシミヤ、絹などの天然素材を天然染料で染め、手織りしています。ウール、カシミヤなどの獣毛類、真綿は手紡ぎをしています。素材を生かし、手織りならではの技法を用いて現代人の生活を潤す作品作りを心がけています。
〇作品例
・ショール、マフラー
・服地
・タピストリー etc.
〇その他
・障害者施設での手織指導(2017年まで)
・個展回数多数
Web: 手織工房 槐
誰でも一度は、草花や木々の色に心を奪われたことがあるでしょう。
軽井沢町追分在住の染織作家 たかのさんはおっしゃいます。
「ふと目にした花の、その鮮やかな色を身にまとう布に移し取りたいと思う。しかし赤い花で赤い色、緑の葉で緑色を染めることはできない。さてどうしたらその色を出せるかとあれこれ試行錯誤する。古代から人類はそうやって染織を営んできたのではないでしょうか。」
この言葉を映し出すかのように、たかのさんの作品は彩り鮮やかであると同時に、身近な自然の中で目にしたような、何とも親しみのある色調を帯びています。
身にまとったり、自宅に飾ったり、人々の生活に寄り添う布を、繭から糸を繰って作った生糸や手紡ぎのウールなどの天然素材を植物染料で染め、手織りで仕上げる ― 美術大学の専攻で「織」を選んで以来、長年にわたって染織の道を歩む工芸家のたかのさんにとっての「染」は、"織るために染める"こと。
工芸の視点から語られる「染」の世界の、何とも面白く、奥深いこと。
たかのさんのお話を聞いた後は、道端の花や草木がついつい気になること間違いなしです。
■ 定員: 10名(先着順)
■ 参加費: 3,000円(当日現金にてお支払いください) *1
■ 参加対象:染織に興味のある方、手しごとが好きな方、草花や天然素材に関心のある方、本好きの方ならどなたでも
<備考>
*1 参加費にはドリンクとミニスイーツが含まれます。
07/29 (土)
10:00~12:00 受付開始 09:45
受付終了
ワークショップ
大地の「色」に出会う ~土染めでブックトートづくり~
ゲスト講師:
Curry屋店主×染色
本間 江里 さん
正直に告白します。わたしたち、「土」に色があることなんて全く意識していませんでした。このワークショップの講師、本間さんが営む立科町のカレー屋さん「GojiGoji sobockle (ゴジゴジソボックル)」で「土染め」についてのお話を聞くまでは。
古くは「古事記」にも記述のある土染めは、土から取れる発色成分を使った染料を水に溶き、火を使わずに生地などを染める技法です。
「土の色=茶褐色」と思うなかれ。漆器や神社仏閣の柱などに見られる鮮やかな赤色は、土から取れる「ベンガラ」という酸化鉄の色。他にも青、黄、緑、ピンクなど、土は実に多様な色を持っているのです。
このワークショップは、爽やかな風が吹き抜ける屋外で行います。土の色を選びながら、いろいろな型紙を使い、世界にたった一つのブックトートを土染めで作りましょう。
家族そろって本の虫という本間さん。「カレー屋と染色」という独特の組み合わせの背景にある、本間さんを形作った本たちのお話も楽しみです。
本間 江里 (ほんま えり)
東京都出身。学生時代やOL時代に縫製や染色 (捺染) を学び、働きながら服や小物の展示販売をする。
その後、結婚を機に夫のIターン転職により立科町へ移住。新たな染めの技法、ベンガラ染めに出会う。
現在、自宅に隣接する店舗にてもう一つの夢であったスパイスカリー屋部をメインとしながら、商展部 (イベント企画) と土染め部を共に運営。様々な手法で表現する喜びを幅広く伝えている。
Web: Goji Goji sobockle
■ 定員: 10名(先着順)
■ 参加費: 3,500円(当日現金にてお支払いください) *1
■ 参加対象: 染色に関心のある方、土染めをやってみたい方、本好きな方ならどなたでも
■ 参加可能年齢: 4歳以上(保護者同伴でお願いします)
■ 実施内容: 本の入るサイズのトートバックに土染めで柄を染めます。型紙を使って染めるので、子どもでも楽しめる内容です。*2
<備考>
*1 大人も子どもも料金は同一です。材料費込み。
ドリンク、スイーツをご注文の方は別料金となります。
*2 雨天の場合は屋内で実施。当日の持ち物など詳細については、参加申込みをされた方に個別に後日メールにてご連絡します。
ACCESS
カフェ&インテリア L (エル) cafe & interior L
長野県北佐久郡御代田町御代田3581-1
※カフェの建物前に駐車場がありますが、時間帯によっては混雑が予想されますので、なるべく乗り合いでお越しください。
※本ブックカフェ・イベントについてのお問い合わせは、みよたBOOKS宛てにContactページからお寄せください。